セラ水に入っている次亜塩素酸と次亜塩素酸ナトリウム水溶液との違い

「次亜塩素酸」と聞くと多くの方が「次亜塩素酸ナトリウム」をイメージされますよね。

実は、この2つは名前は似ていますが性質がいろいろと違うんです!

今回はそのあたりを詳しく説明していきます。

ども、くマです。
5年以上セラ水を販売しているので、この説明は1000回以上しているかもしれません。長くなりますが詳しく説明します。

次亜塩素酸と次亜塩素酸ナトリウムの違い一覧

  次亜塩素酸が主成分の製品 「ジア」と言われている製品
成分 次亜塩素酸
次亜塩素酸ナトリウム
水酸化ナトリウム
pH 弱酸性~微酸性 強アルカリ性
塩素濃度 10~200ppm
(0.001~0.02%)
50,000~120,000ppm
(5%~12%)
希釈して200ppmで使用することが多い
除菌力
洗浄力
安全性
保存性
認知度

次亜塩素酸と次亜塩素酸ナトリウムの基本的な違い

次亜塩素酸ナトリウムが入った薬剤を使用している人はよく「ジア」とか「ジアソー」とか言いますよね。

正しくは次亜塩素酸ナトリウム水溶液(次亜塩素酸ナトリウムおよび水酸化ナトリウムを主成分とする水溶液)のことです。

 よくある次亜塩素酸ナトリウム水溶液の呼ばれ方

  • ジア
  • ジアソー
  • ハイター(商品名)

この3つの呼ばれ方が一般的です。

たしかに、次亜塩素酸ナトリウム水溶液って長すぎて、短く呼びますよね。ここでも「ジア」と書いていきます。

次亜塩素酸ナトリウムの中身

ジアの中身って「次亜塩素酸ナトリウム」だけだと思ってませんか?

実は次亜塩素酸ナトリウム以外にも危険性の高いものが入ってます。

次亜塩素酸ナトリウム
これは漂白剤として入っています。「塩素」の部分を利用して除菌や漂白を行うためです。ハイターなんかだと約5%、業務用だと12%の濃度が多いです。
水酸化ナトリウム
か性ソーダなんて呼ばれたりもします。塩素を安定して保存できるようにアルカリ剤として入っています。危険性が高い成分です。

当然、水溶液なので水もあります。濃度調整などを行うために入っています。
注意
水酸化ナトリウムは一言でいうと「めっちゃ危険なヤツ」です。タンパク質を分解するため、皮膚につくとヌルヌルします。
 

  • 目に入った場合は激しい痛みを感じ、すぐ洗い流さないと角膜がおかされます。
  • 長期にわたって皮ふに接しますと、刺激により皮ふ炎、湿疹を生じます。
  • ミストを吸収すると気道粘膜を刺激し、しわがれ声、咽喉部の灼熱感、疼痛、激しい咳、肺浮腫を生じます。内服した場合、口腔、食道、胃部の灼熱、疼痛、まれには食道、胃に穿孔(せんこう)を生ずることもあります。

日本ソーダ工業会|次亜塩素酸ソーダの人体に対する影響

 

つまり「ジア」と言われているものは、次亜塩素酸ナトリウムと水酸化ナトリウムと水が入っている液体です。

アルカリ剤の水酸化ナトリウムも入っているのが「ジア」です。

次亜塩素酸系の製品の中身

次亜塩素酸系(次亜塩素酸を主成分としたもの)は純粋にこの2つが入っています。

次亜塩素酸
これは次亜塩素酸ナトリウム水溶液と希塩酸を特殊な希釈方法(もしくは食塩水を電気分解)で作られる成分です。漂白力はなく、除菌力がとても高いのが特徴です。とても不安定な成分。

次亜塩素酸の濃度を調整するためなどの理由で水が入っています。
MEMO
次亜塩素酸という成分を作る方法は3つあります。次亜塩素酸ナトリウム水溶液と希塩酸を特殊な希釈方法で次亜塩素酸を作る希釈混合法。食塩水を電気分解することで次亜塩素酸を作る電気分解法。次亜塩素酸ナトリウム水溶液を超純水でゆっくりと希釈させていく緩衝法。この3つがあります。

次亜塩素酸と次亜塩素酸ナトリウムの中身で見る比較

この2つの画像を見てわかるように、入っている中身が違うことがわかりますね。これを水溶液に入っている塩素の視点から見てみると。

ザックリとこうなります。塩素が入っている入れ物が違うのがよくわかりますね。

2つとも同じ「塩素」がつくけど、入れ物が違うってことだね

次亜塩素酸と次亜塩素酸ナトリウムの”塩素”の違い

さて、次亜塩素酸系の商品とジアとでは塩素の入れ物が違うということがわかりましたが、実は入れ物が違うと塩素も変わってきます

塩素は水溶液(H2O)の中では、主に2つの成分になっています。

次亜塩素酸 除菌成分
今回の話の主役ですね。反応性が高いため除菌速度が早く、除菌したあとは塩素が使われて水になります。これも水溶液中の塩素の1つです。
次亜塩素イオン 漂白成分
あまり聞き慣れない成分ですね。これは主に漂白など洗浄を行う成分です。除菌速度は次亜塩素酸と比べて遅く、除菌するまでに時間がかかります。

よく言われる「塩素濃度」とは、この2つを足し合わせた量になります。つまり、、、

では、この2つの割合は何できまるのでしょうか?ここが大切なポイントです。

 次亜塩素酸と次亜塩素酸イオンの割合は

  • 水溶液(入れ物)のpH(水素イオン濃度)で決まります。

似ている名前だけど性質が違う塩素なんだな

塩素の中の次亜塩素酸の割合

塩素の中の割合を表す表がこちらになります。

それぞれに対して詳しく見ていきましょう。


「ジア」のとき

原液だとpH12くらいです。希釈して使用するのでだいたいpH9くらいです。

塩素の中に除菌成分である次亜塩素酸が少ないのがわかりますね。そのため「ジア」は、200ppmや1,000ppmなど濃い濃度で使用する必要があるのです。


「次亜塩素酸系の製品」のとき

だいたいの製品がpH6.5くらいです。

塩素の中がほとんど除菌成分なのがわかりますね。そのため「次亜塩素酸系の製品」は薄い50ppmでも高い除菌力があります。

ジアの塩素はほとんどが漂白成分で次亜塩素酸系の塩素はほとんどが除菌成分。だから薄い濃度でしっかり除菌ができる仕組みなんだよ

次亜塩素酸と次亜塩素酸ナトリウムの”除菌力”の違い

除菌力は除菌成分である次亜塩素酸がどれだけ入っているかによって変わってきます。


次亜塩素酸ナトリウムの除菌力

「ジア」を希釈してpH9で塩素濃度200ppmのとき

塩素は200ppm入ってますが、その中の除菌成分である次亜塩素酸は約4%です。つまり除菌成分の濃度は、200ppm中の4%なので約8ppmということになります。

残りの96%は漂白成分の次亜塩素酸イオンですが、こちらも速度は遅いですが除菌力があります。

ジアを使った除菌で漬け置きが多いのは、塩素のほとんどが次亜塩素酸イオンだからです。


次亜塩素酸製品の除菌力

「次亜塩素酸系の製品」例えば、pH6.5で塩素濃度50ppmのとき

塩素は50ppmだけですが、その中の除菌成分である次亜塩素酸は94%もあります。つまり除菌成分の濃度は、50ppm中の94%なので約47ppmということになります。

塩素のほとんどが次亜塩素酸(除菌成分)なので非常に除菌力が高いです。


次亜塩素酸系の製品 ジア
塩素濃度
50ppm
塩素濃度
200ppm
除菌成分の濃度
47ppm(50ppmの94%)
除菌成分の濃度
8ppm(200ppmの4%)
除菌成分の割合が高い 除菌成分の割合が低い

除菌成分を見てみると、圧倒的に「次亜塩素酸系の製品」の方が除菌力が高いことがわかりますね。

 

「次亜塩素酸ナトリウムの80倍の除菌力!」と書かれているのを見ませんか?確かに間違ってはいないんですが、誤解させる書き方のように感じます。

正しくは、次亜塩素酸の除菌速度が次亜塩素酸イオンの80倍くらいなんですよ。

次亜塩素酸ナトリウムにも数%は次亜塩素酸(除菌成分)が入っていますし、濃度が1,000ppmを超えれば「次亜塩素酸系の製品」と除菌力ではほとんど変わりません

むしろ水酸化ナトリウムの洗浄効果による相互作用で、除菌力は高くなるので次亜塩素酸ナトリウム水溶液の方が除菌力が高いかもしれません。次亜塩素酸系の製品は確かに除菌力は高いですが、過剰な書き方はグレーな感じがしますね、、、

次亜塩素酸と次亜塩素酸ナトリウムの”安全性”の違い

安全性については、塩素と入れ物である水溶液の性質が関わってきます。


次亜塩素酸ナトリウムの安全性

ジアの中にある塩素のほとんどが漂白成分です。さらに入れ物である水溶液には水酸化ナトリウムが入っているため、危険性があります。

目に入ったら失明の恐れがある。とも書いてあります。使用する際はゴム手袋をするなど皮膚に対してもよくありません。

使用上の注意をしっかりと読んでお使いいただく必要がありますね。


次亜塩素酸系の製品

ジアの中にある塩素は、ほぼ除菌成分です。除菌成分の次亜塩素酸は有機物と反応すると水にもどる性質があります。入れ物である水溶液は水ですので危険性は非常に低い製品です。

市場に出ているほとんどの製品が受けている試験

  • 眼刺激性試験
  • 皮膚一次刺激性試験
  • 急性経口毒性試験
  • 全身吸引暴露による急性毒性試験
    ↑セラ水は「ミストを吸い込んでも肺にまで影響がありません的な試験」までとっています。

除菌力が高いうえに、安全性まで高いのが「次亜塩素酸系の製品」の特徴です。

次亜塩素酸と次亜塩素酸ナトリウムの”保存性”の違い

保存性には製品の成分が安定しているのかが関わってきます。


「次亜塩素酸ナトリウム」の保存性

ジアが水酸化ナトリウム(アルカリ剤)を使用するのは、この安定性が高くなるためです。

水溶液中の塩素は、水溶液がアルカリ性のとき非常に安定しています。直射日光が当たらなければ、ゆるやかに自己分解していくだけなので長期間の保存が可能です。

ただし水で希釈したジアは、アルカリ性から中性に近づくため短期間の保存しかできません

ジアを希釈したら、すぐに使わなければいけないのは時間とともに塩素が抜けてしまうためです。

「次亜塩素酸系の製品」の保存性

次亜塩素酸は非常に不安定です。この不安定とは、何か(有機物)と反応してすぐに水にもどる。つまり、塩素濃度とpHが不安定という意味です。

実は「次亜塩素酸を主成分とした水溶液」を作ることは昔からできました。しかしそれを安定して保存できる技術がなかったため、今まで製品として世の中にでてきませんでした。

現在「次亜塩素酸系の製品」がいろいろと出てきているのは、技術の発展により、3ヶ月程度は塩素濃度とpHが安定できるようになったためです。

注意 作りおき
よくAmazonでプライム出荷などの次亜塩素酸系の製品がありますが、プライム出荷するためにはAmazonの倉庫に在庫を置かなければなりません。次亜塩素酸の性質上いつ生成されたかわからないものは非常に不安があります。ある製品を購入した際に製造から9ヶ月の物がありました。塩素濃度測定器で測ったところ、13ppm、、、なんてこともあったので注意が必要です。
注意 自分で希釈
こちらもよくありますね。200ppmを4倍に希釈してご利用ください。と書かれているやつです。次亜塩素酸は非常に不安定な成分です。水道水なんかで希釈したら塩素がガクッ落ちますし、保存性も非常に悪くなります。希釈タイプのものを利用できるのは、自宅で純度の高い精製水が作れる家くらいです。
注意 ボトル
遮光性ボトル!と書かれているボトルでも注意してください。キャップを開けて中を見て光が入っているようでしたら、しっかりした遮光ボトルのものにしましょう。透明なボトルのヤツはおそらく販売している人の知識不足だと思いますので、購入は控えたほうがいいです。

消費者は目で見ることができない、塩素濃度をいい加減に扱っているところが多く見受けられます。

次亜塩素酸と次亜塩素酸ナトリウムの違いについて:まとめ

次亜塩素酸とジアとの違いを理解することで、次亜塩素酸の製品を使ってみたと思うはずです。

次亜塩素酸を活用した製品は、気づかないだけで生活のまわりにたくさんあります。技術の発展で使えるようになった次亜塩素酸を使って除菌していきましょう!